借金の消滅時効はいつからカウントされる?

「借金の消滅時効は5年」と聞いたことがある方は多いと思います。
では、その 5年はいつから数えるのか ご存じでしょうか?
インターネット上では「最終返済日から5年で時効になる」と書かれていることが多いですが、実際にはもう少し正確なルールがあります。本記事では、専門的な視点から 借金の消滅時効の起算点(カウント開始時期) を分かりやすく解説します。
消滅時効の正しい起算点とは?
結論からいうと、借金の消滅時効は 「期限の利益を喪失した日の翌日」 からカウントが始まります。
「期限の利益」とは、簡単にいうと「約束した支払期限までは返済を待ってもらえる権利」のことです。例えば、毎月分割払いできるのも、この「期限の利益」があるからです。
消費者金融やクレジットカード会社の契約書には、多くの場合「期限の利益喪失条項」が定められています。
典型的には次のような内容です。
- 「返済を2回滞納した場合、期限の利益を失い、残りの借金を一括で支払わなければならない」
このように期限の利益を失うと、債権者(金融機関など)は残額を一括請求できるようになります。そして、その 一括請求が可能になった日の翌日から時効のカウントが始まる というのが法律上のルールです。
「最終返済日から5年」ではない理由
例えば、50万円を借りて「毎月末に2万円ずつ返済」という契約をしていたとします。
この場合、返済を2回滞納すると期限の利益を失います。
つまり、最終返済日からすぐに時効が始まるわけではなく、実際には 最終返済日から2か月ほど後に起算点がやってくる ことが多いのです。
したがって、実務上は「最終返済日から5年と2~3か月経過した頃に時効が完成する」ケースが一般的です。
もし「最終返済日からきっちり5年」で時効援用の手続きをしてしまうと、まだ時効期間が経過しておらず、無効になってしまう可能性があるので注意が必要です。
保証会社がついている場合の注意点
銀行カードローンなどでは保証会社がついているケースがよくあります。
この場合、債務者が期限の利益を失ったあと、保証会社が金融機関に「代位弁済(立て替え払い)」をします。代位弁済をした時点で債権は保証会社に移ります。
そのため、 保証会社が代位弁済をした日の翌日から時効のカウントが始まる という点に注意が必要です。
債権譲渡の場合との違い
「債権譲渡」が行われるケースもありますが、この場合は時効の起算点は変わりません。
つまり、債権者が変わっても、時効のスタートは 「期限の利益を喪失した翌日」 で固定されます。譲渡日から時効が始まるわけではないので、勘違いしないように気をつけましょう。
まとめ
- 消滅時効は「最終返済日から5年」ではなく、期限の利益を喪失した日の翌日から カウントされる。
- 実務上は「最終返済日から5年+2~3か月」で時効が完成することが多い。
- 保証会社が代位弁済した場合は、その翌日から時効が始まる。
- 債権譲渡の場合は起算点は変わらない。
もし消滅時効の手続きを検討している場合は、最終返済日だけでなく、契約書や債権者からの通知などを確認し、起算点を誤らないことがとても大切です。


